天上紅蓮
天上紅蓮

定価:1680円(税込)
ページ数:368ページ
判型:四六判上製カバー装
初版発行日:2011年06月30日





華麗なる平安貴族社会での禁断の愛を描いた話題作が待望の書籍化です。
月刊「文藝春秋」での約1年半の連載を経て、昨年完結した本作は渡辺淳一としては2度目となる「文藝春秋読者賞」を受賞しています。

この世で思い通りにならないものは「天下三不如意」*だけ…
そんな逸話が残るほど圧倒的で絶大な権力を持っていた白河法皇。物語はそんな彼とその養女、待賢門院璋子の許されぬ禁断の愛を描いた作品です。 63歳の法皇と、15歳の璋子のどこまでも激しい情愛の炎は貴族社会全体を巻き込むほどに熱く燃え上がったのです。

時は、永久3(1115)年、弥生の頃。白河法皇の希望で「曲水の宴」が行われようとしていた。池へいたる曲がりくねった小川の縁に座を占め、 上流から流れてくる小舟が自らの前を通り過ぎないうちに盃を干し歌を託す「曲水の宴」。 そのなかでも、多くの人々から感嘆の声が洩れたのが、白河法皇が詠んだ歌だった。

うつつとも夢ともいまだ分きかねて ただたしかなる君のやわ肌

62歳になる白河法皇は新たな恋に心とらわれていた。 相手の名前は「璋子(たまこ)」。その歳、わずか15歳の女性であった。 まだまだ恋愛に対しては比較的自由であったこの時代とはいえ、2人の愛は王朝を揺るがすほどの大スキャンダルだったのです…

*「天下三不如意」
「賀茂河の水、双六の賽、山法師」を指す。"賀茂川の水"とは、かつて氾濫を繰り返す手のつけられない川として知られた賀茂川(鴨川)による水害のこと、"双六の賽"とはサイコロの目のこと、"山法師"とは神輿を担ぎ暴徒のごとく都で強訴を度々起こした比叡山は延暦寺の僧兵たちのことである。
白河法皇の権力をしてもこの3つだけは思い通りにならなかったと伝えられる。